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歯石除去(スケーリング)について

皆さま、こんにちは!中里ミル動物病院、院長の渡辺です。今月のコラムのテーマは「歯石除去(スケーリング)」について、お話ししようかと思います。

歯を大切に、だワン🎶


歯が抜けてしまわぬように!

みなさん、ご自身のワンちゃんネコちゃんの歯をご覧になったことありますか?


 

一般的に 3 歳位になると少しずつ歯石が付着してきます。歯石があると、そこに歯周病菌が増え、徐々に歯肉炎や歯周炎が発生します。 重度の歯周炎になると、 頬に穴が開いたり痛みでご飯が食べられなくなったりして、最終的には歯が抜けてしまいます。

 

これを防ぐためには歯石除去(スケーリング)が必要となるのですが…先日、この歯石除去に関する気になるニュースが出ていました。


獣医師免許がないのに犬の歯石を除去、ドッグカフェ経営の女を書類送検…無免許の施術横行

引用:読売新聞HPより

上記の記事の要点はペットへの歯石除去 (スケーリング)は獣医師が行う医療行為であり、獣医師以外が無免許での施術は違法ですよ。ということです。

(※獣医師管理下における愛玩動物看護師による歯石除去は可能)

最近、動物病院以外の施設において獣医師以外の方が無麻酔で歯石除去を行う事例を耳にすることが多いですが、私個人としては違法行為であることはもちろんですが、無麻酔下で歯石除去をすることにいくつか懸念することがあります。

それは、


1 歯石除去で大事な歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)や奥歯の裏側についた歯石を取れているか

目に見える歯石だけを取っても、歯周ポケット内の歯石が残っていると歯周炎が進行します。ただ、歯周炎があるとここの部分の歯石取りは痛みを伴うので麻酔が必要です。無麻酔で痛いのを我慢させて…はかわいそうですよね。

 

2 歯石を取った後の歯の表面のポリッシング(研磨)がされているのか

歯石取りを行ったあとの歯の表面はザラザラしています。そのままだと、歯石がすぐついてしまいます。せっかくきれいにしたのに歯石が着きやすい歯になっては困りますよね。

一般的に 3 歳位になるとほとんどの犬が程度の差はあるにせよ歯周炎になっていることが統計で言われています。ですので、犬や猫の歯石除去は美容目的というよりは歯周炎治療予防の役割が大きいと考えています。

歯の状態がどうかの判断とそれに見合う処置の選択、およびその処置に伴う痛みを無くしかつ短時間で確実な歯周炎治療予防を行うためには獣医師による麻酔下での処置が重要です。

(※麻酔が可能か否かはかかりつけ医と相談しましょう)



ミル動物病院は、地域密着かかりつけ医として、これからも大切なご家族の生活を応援してまいります。


これを機に、多くのワンちゃんネコちゃんの歯が健康になることを願って今月のコラムを終わります。

中里ミル動物病院 獣医師:渡辺



ミル動物病院では健康診断『ワンニャンドック』を実施ししております。当院でも健康診断プランもご用意していますので、体調で気になる事がある方は遠慮なく当院受付もしくは獣医師にご相談ください。

ご不明な点、ご相談は当院までご連絡ください。

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