【コラム:ミル桜ヶ丘】「ペット保険」は必要?獣医師が考える選び方と付き合い方
皆様、こんにちわ。富士市にあるミル動物病院桜ヶ丘、院長の飯島です。
近年、人間の医療と同じように獣医療も多様化が進んでいます。「高度な手術」や「新しいお薬による内科治療」など、選択肢が増えた一方で、治療費が高額になるケースも少なくありません。
そんな急なケガや病気による出費の備えとして、現在さまざまな『ペット保険』が登場しています。
そのため、動物病院の診察室でも飼い主様から「先生、ペット保険には加入したほうがいいですか?」「どの保険を選べばいいですか?」とご相談を受けることがよくあります。
お金が関わる大切なことですので安易に「これが一番です」とはお答えできないのですが、今回は獣医師としての私個人の意見を少しお話ししてみたいと思います。

ペット保険について、みんなの意見を聞かせてワンっ
大前提として:保険は損得ではなく「安心への備え」
まず前提として、ペット保険は人間の民間医療保険と基本的には同じ「相互扶助(みんなで支え合う)」の仕組みで作られています。「加入したからには、たくさん使って元を取りたい」と考えてしまうお気持ちもわかりますが、日々のちょっとした通院だけでは、支払う保険料の方が上回り、結果的に“掛け捨て”のようになることも少なくありません。
また、原則として加入前にすでに発症している病気やケガは補償の対象外となってしまいます。
ペット保険は「元を取るためのもの」ではなく、万が一の大きな病気やケガの際に「費用の心配をせずに最善の治療を選択するための“安心”」だと捉えるのが良いかと思います。

選択肢の一つなのだワンっ
「治療に対するお考え」で保険の必要性は変わる
ペット保険に加入した場合、病気やケガの際にしっかり検査や治療を受け、保険を請求するのが本来の活用方法です。しかし、飼い主様によっては「高齢だから負担の大きな検査はしたくない」「痛い思いをさせず、自然に任せたい」というお考えの方もいらっしゃいます。そうした場合、結果として保険を使う機会は減ることになります。
(※余談ですが、獣医師である私も、かつて自分の愛犬を看取るときに「痛い思いをさせたくない」という家族の意向を尊重し、あえて積極的な治療を行わなかった経験があります。正解はご家族の数だけあるのです)

みんな、家族だもんね。
ペット保険を選ぶ際のヒント
積極的に治療をしてあげたいと考え、万が一の安心のために保険を検討される方へ、選ぶ際のヒントを少しだけお伝えします。保険には「通院・入院・手術を幅広くカバーするもの」から、「手術のみに特化したもの」など様々な種類があります。
例えば、外耳炎や皮膚病など、こまめな通院が必要になりやすい犬種・猫種であれば「通院補償」が手厚いものを。椎間板ヘルニアなど、いざという時の手術費用が高額になりやすい犬種であれば「手術補償」に特化したものを選ぶ、といった考え方があります。
(※ただし、犬種や年齢によって加入条件や保険料が異なるため、事前の確認が必要です)
【番外編】ある飼い主様の「ペット貯金」という選択
最後に、私が診察室である飼い主様から伺った、とても素敵な取り組みをご紹介します。その方は、「掛け捨ての保険だと、健康だったときに手元に何も残らないから、うちは『ペット用タンス貯金』をしているの」と教えてくださいました。
毎月保険料のつもりで貯金箱にお金を入れ、1年間大きな病気をせずに健康で過ごせたら、その貯金の一部をご褒美としてペットのおもちゃや美味しいおヤツを買ってあげる。そして残ったお金は翌年の医療費として繰り越すのだそうです。
もちろん、突然何十万円もかかるような大病をした場合には、タンス貯金だけですぐにカバーするのは難しいかもしれません。
しかし、ただ掛け捨てにするのではなく、健康だった喜びをペットと一緒に分かち合えるこの方法は、お互いにとって楽しみのある素晴らしいアイデアだと感じました。

一年間、無事に健康で良く頑張ったねっ
まとめ
ペット保険の必要性は、「飼い主様がペットの医療にどう向き合うか」というお考えや、ペットの種類・年齢によって本当に様々です。今回のコラムが、富士市にお住まいの皆様をはじめ、これからペット保険の加入や見直しを考えている飼い主様の参考になれば幸いです。
大切なご家族であるワンちゃん・猫ちゃんの健康のことで迷われたら、いつでもお気軽に当院までご相談くださいね。
ミル動物病院では健康診断『ワンニャンドック』を実施ししております。当院でも健康診断プランもご用意していますので、体調で気になる事がある方は遠慮なく当院受付もしくは獣医師にご相談ください。
ご不明な点、ご相談は当院までご連絡ください。




